2018年4月1日日曜日

連翹の炎








ママ、走ろうよ。
末娘バッタが誘う。

最近見つけた森への散策コースの途中に、小川に沿ったランニングにぴったりの小径がある。そこを走りたいと言う。どうやら、一緒に走ろうと誘われていると言うよりは、彼女が走っている間、上着を持っていればいいらしい。

春の息吹を写真に撮ろうとしているものとしては、大歓迎。二つ返事で外に出る。

膨らみが大きくなってきた木の芽を楽しみながら、末娘バッタのおしゃべりに耳を傾ける。そのおしゃべりも、小径の手前でぴたりと止まり、上着を脱いだ彼女はあっと言う間に走り出してしまう。

レポーターよろしく、後ろ姿でも写真をとカメラを向けた時には、既にゆるやかな角を曲がり切ってしまっていて、見えなくなっていた。

のんびりと小川に沿って歩き続ける。ネコヤナギの柔らかいビロードの花穂が愛らしい。

夏の暑い日に緑の木陰を作ってくれた山葡萄はどの辺にあったのだろうか。そんなことを思っていると、遠くからこちらに走ってくる姿が目に入る。遅いので気になって戻って来たのだろうか。呑気に思っていると、みるみるうちに姿は大きくなり、目の前に現れる。

ゴール地点まで到着し、暫く待っても来ないので折り返してきたと言う。

今度は、私と並んで歩いてゴール地点まで行く。

走らないと、調子が出なくて。そんな風につぶやいて、ストレッチしながら歩いている姿は、正にエネルギーの塊。

曇り空に燃える連翹に重なる。




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