2016年5月18日水曜日

価値観の底





末娘バッタがソワレに呼ばれているというので、ドレスを買いに出掛ける。
ドレスを選ぶ時、驚くほど長女バッタと反応が一緒。

試す前から、既に好みがはっきりしている。嫌なものは嫌。
プレーンで、ショートで、エレガント。
そして、妥協を決してしない。

何軒もめぐり、試し、もうほとほと嫌になってきてくるが、本人は真剣。

漸く、本当に漸く、もうぎりぎりの時間で、彼女にぴったりのドレスが見つかる。
値段はそう張るものではなかったが、どうもベルトをするといいらしく、このベルトが何とドレス並みの値段。

まあ、いいか。これ以上他を探すなんて根気も時間もネルギーも、なかった。


それでも夕方には靴を探しに出掛ける。
今度こそは黒のプレーン。ちょっとしたヒール。
それだけだから、すぐに見つかると思ったが、甘かった。

彼女があーでもない、こーでもないと試している間、ひょいと覗くと、ちょっと好みのハイヒールが目に留まる。そうそう。こんな感じの欲しかったのよね。そう思って手にすると、「ママ、お願いだから、それはやめて。まさか、買わないよね。」と声が掛かる。

あまり考えずに、すぐに買ってしまう母親の性格を知っているからだろう。かなり真剣に「ママ。これは、すっごく歳をとって見えるよ。やめて。」と言われてしまう。

ぎょっとする。末娘バッタが一緒ではなかったら、恐らく買ってしまったであろう一足。このヒールのどこがいけないのか。スマートで先がつんとしている。ピンヒールでないところが、履き心地の良さを保証してくれている。

彼女にしてみたら、先ずは先が長くとがっていることが旧式というのである。そして、ヒールが太いところがダサい。

なんだか、自分の価値観の底を娘にこつんとトンカチで叩かれ、すっこんと底が飛び出てしまったような錯覚を覚える。

そうか。古い人間なのか。

だから最近、好きなスタイルの靴がなくて買っていないのか。なんだかしみじみと思ってしまう。

今度は一人で靴を買いにこよう。
出来たら、別のお店で。そして、ゆっくりと自分の好きな靴を見つけよう。

なんだか、いつもと同じ靴を買ってしまいそうだけど。








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