2014年5月29日木曜日

今どきの12歳



ちょっと前まで、ママ~、と可愛らしく、いや、しつこいぐらいにハグしてきたのに、最近はハグをすると、避けられてしまう。以前のように、お尻をつまむなんてことをしたら、大声で変態扱い。

水曜の午後からパパの家族と一緒に週末までリスボンに行く末娘バッタ。水曜の授業の後、パパが手配をしたタクシーでパリに一人で行くとか。そんなことも一人でパパとアレンジ。数学、ラテン語、社会の試験があるからと、火曜は11時まで起きていて小旅行の鞄を用意し、水曜の朝は5時起きで試験勉強。そう言えば、お昼はどうするの?と聞けば、おにぎりを握っていくという。あら、ママが作ってあげるわよ、と慌ててしまう。

急に成長してしまった末娘バッタ。母親を煙たく思う日が来るなんて想像もしていなかったし、心の準備もできていなかっただけに、戸惑ってしまう。

先日も学校のバザーでお手伝いをするが、その間、バッタ達三匹とも一回も寄り付かない。以前だったら、末娘バッタが、ママ、お腹空いたでしょう、喉渇いたでしょう、と何かと差し入れをしてくれたのに。息子バッタにしても、キャンパスで会っても、嬉しそうな顔をするでなし。まあ、そんなものか。

あっという間に、本当に、あっという間に、成長してしまったのね。

一息つける場所は、トイレのみ。それでも、トイレの外で待っているバッタ達の存在にうんざりしていたことが懐かしい。

華麗なカモシカのような肢体の12歳。

さあこれから、どんな風に飛翔していくか。





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2014年5月25日日曜日

三色のヨーヨー






一週間分の買い物を終え、
重い袋を抱えながら、我が家の門を開けると、
取っ手に何かぶら下がっている。

それまでの鉛の身体が嘘のように、
嬉しさで弾けてしまう。
三色のヨーヨー。
一体誰が置いて行ってくれたのだろう。

ありがとう。




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2014年5月21日水曜日

ピーと一緒に






ぐるぐる、きゅるきゅる。。。

こんな鳴き声が聞こえてきたら、
もう食べ頃だって分かってしまう。

あっという間に踵が見えなくなる程下草が茂り、
野薔薇の高貴な香りに満ちている庭の奥に足を進めると、
小さな黄緑の粒が今では真っ赤な大きな粒になって、
枝にたわわに実っている。

庭に出ればいつだって、すぐに気が付いて走って追ってきたバッタ達。
彼らはもう味見をしたのだろうか。
ぐるぐる、きゅるきゅる、ピーよろしく、手当たり次第、真っ赤な粒を口に放る。
甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。

キッチンに戻ると、末娘バッタがケーキを焼いている。
バドミントンの練習に持っていくとか。長女バッタの得意レシピを、いつの間にか末娘バッタも諳んじてしまっている。
パウンドケーキの型と、小さいカップケーキの型に生地を流し込んでいる。
小さいカップケーキ型は、後からの味見用なのか。それなら、後で一口もらおうか。

そんな母親の考えは大いに甘かったことが分かる。
息子バッタ向けに特別に作ったらしい。

ふうん。そっか。
ぐるぐる、きゅるきゅる。。。
それでは、ピーと一緒に、さくらんぼを食べに行こう。









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2014年5月18日日曜日

夕暮れ時のミッション



暮れかけるパリを久しぶりにドライブ。ヘッドライトが必要になる前に目的地に着きたかった。土曜の午後9時にしては、道路はあっけない程空いていて、大きなサッカーの試合でもあって皆テレビの前で釘づけなのか、爽やかな緑の風を受けて夕食時を楽しんでいるのかと思われた。助手席には息子バッタが眠そうな体をのびやかに横たえている。助手席とはよく言ったもの。その本来の意味を背負って、彼はそこにいる。

断られたら一人で行こうと思って声を掛けると、「いいよ。」と気軽に返事をくれていた。なんとなく全てがうまくいく時は、青信号が続くように、些細なことでも簡単に扉が開く。GPSは推定所要時間を50分として出していたが、高速に入ると40分に短縮された。通常混み合う環状線も流れよく、すんなりと出口に向かう。

思えば、変な話ではあった。玄関先にある、積み上げられた段ボール箱について、どうして話題になったのかさえ覚えていない。昨年のイベントの残りらしく、業者側は廃棄処分で結構と言ってきたらしい。そこで施設に連絡をすると、ある施設では不要だと断られ、別の施設からはぜひ欲しいとの返事。いつでも取りに来てください、と住所を告げたらしいが、以来音沙汰なし。確かイベントは夏。となると、もうかれこれ一年近くも玄関を塞いでいることになるのか。学校の年度末のバザーの景品にぴったりではなかろうか。

大き目の段ボール箱6つ。引き取ると言っても、車でこの往来の激しい通りに駐車するのは困難であろう。そんなことができるのは、夜中か明け方。そして、週末に限る。されど、まさか、オフィスにそんな時間に誰かがいるはずもなかろう。そんな思いをどこまで口にしたのか。気が付いたら、オフィスの鍵が手に置かれていた。

「警報装置は?」
真夜中に侵入し、鍵穴に鍵を差し込んだところで、照明がぱっとついて、サイレンが鳴りだす光景が鮮やかに目に浮かぶ。

「そんなのないよ。犬も飼っていない。週末に取りに来たかったら、そうするといいよ。」

そう言って、一緒に階段を降りる。そうして、声をちょっとだけ落として囁く。「カメラは二つ設置されている。でもフィルムは24時間で巻き戻される。だから、すぐにチェックしないと、肝心の場面は見ることができない。」

道中、そんな話を息子バッタにしてやる。「なんだか、変な話だよ。罠なんじゃないの ?」誰もいないオフィスに行くということで、彼の好奇心をくすぐったものの、用心深さも頭をもたげたらしい。

高速を降りた時には必要のなかったヘッドライトだったが、流石に混雑していた街中で暗闇が忍び寄り始めていた。日中の通りと夕闇迫る通りの様子は随分と違っていた。一方通行が少なくなく、車でぐるぐると回され漸く目的の番地にたどり着くが、案の定どこにも駐車できない。もう一度慎重に周辺を回るが、空きスペースは全てアパルトマンの自動車の出入り口。諦めて、すぐ近くの横断歩道ぎりぎりに止めると、息子バッタが別の場所を指示する。あちらの方が危険度が少ないと主張。ここは素直に従う。

オフィスの前に立ち、鍵穴に鍵を差し込む。二回まわすとカチリと快い音が響きドアが開く。見覚えのある段ボールが玄関を塞いでいる。照明を点けようとスイッチをいれるが、何も変わらない。電源を切っているらしい。スイッチがついている同じ柱の上に大き目のスイッチが目に入る。それをパシンと押すと、ごーんと鈍い音が響き出し、遠くの冷蔵庫やコンピューターが目覚め始めたかのような音がする。すると息子バッタが慌てたように照明を点ける必要はない、という。悪いことをしているわけでもないのに、なんだか、そわそわしてしまう。それなら、と、電源を改めて切る。静けさが戻る。「ケータイ貸して。」息子バッタが携帯の照明機能をオンにすると、強い明るさで段ボールが浮かび上がる。

二人で黙々と段ボールをオフィスの玄関から廊下に出し、エレベーターに二回に分けて運ぶ。鍵を二回まわしてカチリと締め、ノブを回し確実にドアが開かないことを確認。今度は一階のエレベーターホールから道路まで、文句一つ言うでもなく大きな段ボール箱を抱えて運ぶ息子バッタ。ドアを開けておく役回りとなったことに、ほっとしつつも、彼の働きぶりに驚いてしまう。

怪しげな場所に停めておいた車に慌てて駆け戻ると、先程と変わらずにひっそりと街路灯を浴びて佇んでいる。車でぐるりと回って息子バッタが段ボール箱と待っている場所にたどり着き、トランク、後部座席、ありとあらゆるスペースに段ボール箱を詰める。段ボール箱はスライム状になったかのように、上手く入り込み、トランクの蓋を閉め、後部座席のドアも閉めると、出発準備完了。

帰り道もあっと言う間。我が家にたどり着くと、助手席からすぐに息子バッタが飛び下りて、玄関の門を開けてくれる。車を庭に乗り入れると、今度は段ボール箱をサロンにさっさと一人で運び込む。一体全体、どうしてしまったのだろう。お願いしなくとも、颯爽と作業をする姿を見て改めてびっくりしてしまう。翌日はハンドボールのトーナメント試合が早朝からある。早く寝なきゃいけないのに、と文句の一つあるわけでもない。試合の前に疲れちゃったよと言うわけでもない。

夜風は優しく、すっかり暗くなった空にはたくさんの星がきらめいている。無事にミッションを終えたスパイよろしく、満足感が疲労感とともにひたひたと忍び寄る。




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2014年5月14日水曜日

待宵月



何かに突き動かされるように
ベッドから抜け出し、廊下に出てみると
小さな天窓から眩しい程の光線が暗闇に斜めに突き抜けている。
そして、その光線を受けたかの如く、二つの物体が輝き合っている。

台湾でお土産に買って来た光る石であることに、漸く気が付く。

月明かり、か。
待宵の月。

月明かりに託されたメッセージ。

しっかりと心に受け取り、
温かなベッドに再び潜り込む。

ありがとう。




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2014年5月12日月曜日

インスピレーション



藤の香り立ち込める中
驟雨で新緑の葉が小気味よく踊る。

最近の若者はリスクを取らない、
もっと精神を自由にしたらどうだろう。
インスピレーションに身を委ねる、
そんなことがあるのが人生。

伝説的存在のヴァイオリニストの言葉。

胸に突き刺さる。
そもそも、リスクとは何ぞや。
そして、インスピレーションが湧くこと自体、
実は半端じゃない。

緑の風は何を語っていよう。




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2014年5月9日金曜日

大切なあなたに








今年も約束通り
すっきりと尖った新緑の双葉から伸びた細枝に
白い小さな花を鈴なりにつけ
暖かさと冷たさが時折混じった風に
可憐に揺られながら
幸せを届けてくれる。

大切なあなたに。




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2014年5月2日金曜日

耳に残った温もり








これで何度目だろう。
急ぎの用が入って無理、新たな問題発生で対処しなければならず無理、システムがダウンして慌てて取り戻さなければならず無理、、、。
優先順位が低いってことね。
沈黙が流れる。
そんなことはないって思っているけど、こうも続くと、そう言いたくなってしまう。

冷凍庫で固まっている渡そうと思っていたケーキの塊、
イースターのチョコの卵、
スパイシーシナモンティー、
リラの花束、
トカーナのキーホルダー、
書き心地の良い極細ボールペン、
そして、
そして、
そして、、、。

この週末の大イベントに向けて、応援して欲しかったな、
と思った瞬間、その気持ちが応援してあげたいな、に変化し、
一緒に頑張ろうか、となる。

ファーブルトン、オレンジケーキ、レモンスケーキ、クラフティ、ガトーオショコラ、
沢山のケーキを焼かないと。
200人分の名札も作らないと。

分かった。頑張って。

通話を終えて、エンジンを掛ける。
耳に残った温もりを抱きしめながら。






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