2012年12月6日木曜日

薔薇の蕾




小さく欠けていく月は
いよいよ冴えて
フロントグラスの霜を削るたび
シャラシャラとしたシャーベットに一瞬の輝きを与えている。

冬の太陽は
気まぐれな応援の様。

一瞬にして心奮い立たせ、
その気にさせておきながら、
その続きがない。

気まぐれな太陽に
すっかりその気になった我が家の庭の薔薇の蕾が
夜の間に氷の塊と化している。

夕方、戻ったら
そっと凍てついた蕾を手にとって
ゆっくりと息を吐きかけようか。

手のぬくもりで
膨らみを取り戻し、
落ち着いた色合いとなった花びらを
開き始めるかもしれない。

心をそっと抱きしめる。


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